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星稜との"奇跡"の名勝負
昭和54年夏、初戦(2回戦)の札幌商(北海道)を7対3で破り、春夏連覇に向けて好スタートを切ったが、3回戦で奇跡のドラマとして語り継がれる星稜との名勝負を迎える。好投手・堅田外司昭(松下電器)との投げ合いは、4回の表裏に1点ずつ分け合っただけで1対1の同点のまま延長戦に突入する。 12回表、星稜・音(のち中日)の安打と山下の死球で1死一二塁とした後、二塁ゴロエラーで勝ち越された。
その裏、2死無走者から"最初の奇跡"が起きる。最後の打者になるかと思われた箕島・嶋田が強振した打球は放物線を描いて左翼ラッキーゾーンに吸い込まれた。試合をふたたび振り出しに戻す起死回生の同点本塁打だった。 14回裏、箕島が安打で出た森川が犠打と意表を突く盗塁で三塁に進むが、星稜の若狭三塁手の隠し球でサヨナラ機を逸す。16回表には、死球と内野安打で2死一三塁とし、山下の右前打で星稜に1点を勝ち越されるが、その裏、2死無走者から"2度目の奇跡"が起きる。 "最後の打者"森川が隠し玉の汚名挽回とばかり、初球から打ちにいくが、力なく打ち上げた打球は平凡な一塁ファールフライ。箕島、万事休す。捕球すれば箕島の連覇はなかった。しかし、星稜・加藤直樹一塁手は捕球していなかった。照明灯が視界に入り、体勢が揺らいだところで人工芝の継ぎ目に足を取られて転倒してしまったのだ。命拾いした森川が、その3球後、公式戦で一度も打ったことのないホームランを左中間スタンドに叩き込んでダイヤモンドを一周していた。星稜の金戸左翼手は諦めきれずフェンスによじ登ったままである。 3対3、再度試合を振り出しに戻した箕島は、引分寸前の延長18回裏、2四球で1死一二塁から、上野が左前タイムリーを放ち二塁走者の辻内が生還、3時間50分の壮絶な試合に終止符を打つ。この試合は甲子園史上最高のゲームとされている。
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